ブエナビスタ|歴代最強馬|才媛たる最強牝馬|名牝たちの記憶②

名牝たちの記憶
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ブエナビスタ|歴代最強馬|才媛たる最強牝馬|名牝たちの記憶②

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才媛たる最強牝馬ブエナビスタ

スペイン語で『素晴らしい絶景』と名付けられた、その牝馬が生まれ持ったものは最強という名の宿命である。
その宿命に打ち勝ち最強牝馬の名を欲しいままにしたブエナビスタ

今回は、そのブエナビスタが挑んだ宿命に対する蹄跡の記憶を振り返りたい。

良血の宿命

父は言わずと知れた武豊騎手に日本ダービーという初の栄冠をもたらしG1・4勝を挙げた名馬スペシャルウィーク
母は今や日本が誇る超名牝エアグルーヴと同期で死闘を演じ自身も2歳女王に輝いたビワハイジ
そんな武豊騎手を真の男にした父スペシャルウィークと最多記録を持つ偉大な母ビワハイジの間に生まれたブエナビスタは生まれた時から良血すぎたのだ。
父と母だけでも贅沢な配合に加えて父の父は大種牡馬サンデーサイレンス。母の父は世界的名種牡馬カーリアンである。
これでもか!っていうほどの良血馬が持つ宿命――それは勝ち続けなければならないという競馬ファンの期待。素晴らしい絶景を魅せ続けるためブエナビスタは2歳の秋に堂々の1番人気で淀のターフに脚を踏み入れた。

期待に応える走りも……

デビュー戦こそ、のちの皐月賞馬アンライバルド(父ネオユニヴァース)と同父を持ち翌年の日本ダービー(G1)2着となったリーチザクラウンの後塵を踏んで3着となった。これはのちに伝説の新馬戦と称されることとなる。
そこから5連勝で良血馬の意地を魅せた。
この5連勝には阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)で2歳女王に輝き母娘二代制覇を達成。桜花賞(G1)・オークス(G1)を勝ち牝馬二冠馬、見事に母の雪辱を果たした。

そして、舞台は仏国の凱旋門賞に照準が合わされた。
しかし、前哨戦となった古馬との初対決となった札幌記念(G2)では大外から上がり3ハロン最速の末脚を見せるも勝った伏兵馬ヤマニンキングリーにクビ差届かずの2着。
これによって凱旋門賞は白紙となる。

勝ち切れない最強牝馬

凱旋門賞の出走を取りやめ国内に専念したブエナビスタの目指すはもちろん牝馬三冠である。
良血すぎる馬にとって競馬ファン誰もが牝馬三冠の誕生を夢見たであろう。
しかし、内側の馬群に包み込まれ苦しい状態から抜け出すも2着が精一杯。しかも、斜行妨害が下され3着に降着となってしまう。牝馬三冠最後のレースは後味が悪い結果となった。
なお、この年の凱旋門賞はG1・6連勝で制した世界的名馬シーザスターズである。

仮にブエナビスタが出走していたらシーザスターズに勝てたかどうか、今になっては競馬の神のみぞ知るだろう。

その後、秋華賞馬レッドデザイア(父マンハッタンカフェ)がエリザベス女王杯(G1)を回避し誰もがブエナビスタの勝利を確証したであろう。
圧倒的な1番人気に支持された。
ところが、レースでは11番人気のクィーンスプマンテと12番人気のテイエムプリキュアの大逃げにペースを惑わされ最後の直線で上がり3ハロン32.9という驚異的な鬼脚を魅せるも届かずの3着に終わる。

続く、年末の大一番グランプリ有馬記念(G1)でも堂々の1番人気に支持されたが三冠馬オルフェーブル(父ステイゴールド)の全兄ドリームジャーニーに半馬身差交わされての2着。
またしても自慢の鬼脚は不発に終わってしまい、最強牝馬と誰もが信じながらG1レースで勝ち切れない日々が続いた。

高連対率の最強牝馬

勝てそうで勝てない――。
これは父スペシャルウィーク(菊花賞・宝塚記念・有馬記念とG1で2着3回)同様で父の遺伝子が強く出たのかも知れないと言われている。

明け4歳となりドバイ前哨戦の京都記念(G2)は難なく勝利するもドバイシーマカップ(G1)では2着、牝馬限定のヴィクトリアマイル(G1)では断トツの1番人気で辛勝。
次走の宝塚記念(G1)では、伏兵馬ナカヤマフェスタ(父ステイゴールド)の2着(のちの凱旋門賞2着馬に伏兵馬とは失礼?)

夏の休養を経て、天皇賞・秋(G1)では翌年の宝塚記念を制するアーネストリー(父グラスワンダー)など並み入る強豪を抑えてG1・5勝目を獲得するも、続くジャパンC(G1)では1着入線も進路妨害が認められローズキングダム(父キングカメハメハ)の2着に降着

この年の締めくくるとなる有馬記念でもヴィクトワールピサ(父ネオユニヴァース)にハナ差2着で敗れた。これで3歳の有馬記念から数えて8戦連続の連対率を誇った。

最強牝馬の証明

5歳となり、さすがの最強牝馬も衰えを見せ始めたが、それでも年明け緒戦となったドバイワールドカップ(G1)はダート戦のため別としてヴィクトリアマイルと宝塚記念で再三となる連続2着。
秋には天皇賞・秋で4着となるもジャパンCでは昨年の忘れ物を取りに最強牝馬の証明を見せクビ差の辛勝。見事G1・6勝目とともに父子二代制覇の偉業を達成した。

そして、引退レースとなった暮れの有馬記念で後輩オルフェーブルに引導を渡すようにして7着でフィニッシュ。最強牝馬は2歳のデビュー戦から、この年の天皇賞・秋まで19戦連続で1番人気という歴代1位の記録を残しターフを去った。

超良血を継ぐ母として

23戦9勝――うちG1・6勝、2着7回という数字はまさに最強牝馬の名に相応しい戦績である。
そんな最強牝馬ブエナビスタを待つ次のステージは母としての最強繁殖牝馬継承である。

ビワハイジはブエナビスタを含め全部で12頭の産駒を世に残したが、6頭もの重賞勝ち馬(うちG1馬は2頭)を輩出。

これは繁殖牝馬として日本史上最多記録となっている。

しかし、10年が経過した繁殖生活でデビューした産駒は僅か4頭。しかもオープン入りする仔はいるも重賞勝ち馬は未だ現れていない。
この先、偉大な母ビワハイジから続く超良血を継承する若駒が誕生するのを静かに待ち続け、その若駒とともに素晴らしい絶景を見ることを夢見つつ。

スペシャルウィーク サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
キャンペンガール マルゼンスキー
レディーシラオキ
ビワハイジ Caerleon Nijinsky
Foreseer
アグサン Lord Gayle
Santa Luciana

生涯戦績 23戦9勝(9-8-3-3)
主な勝鞍 阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、オークス、ヴィクトリアマイル、天皇賞・秋、ジャパンC


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