【競馬ニュース】メジロ最後のGⅠ馬が星になった日 メジロベイリー追悼
メジロ牧場で生産された最後のG1馬メジロベイリーが老衰のため6月28日に亡くなりました。24歳でした。
メジロベイリーと言えば、まずお父さんがサンデーサイレンスだったことを思い出します。
日本の血統を塗り替えたといっても過言ではない大種牡馬サンデーサイレンスが父でなぜ思い出されるのか。それは、これまでのメジロ牧場(メジロ商事)の歴史にあります。
メジロ牧場を簡単に説明すれば、自家製産馬にて天皇賞・春を勝つ長距離血統の競走馬を中心に生産されてきました。
他にもマックイーンの半兄メジロデュレンや牝馬初の三冠馬メジロラモーヌなど、メジロの競走馬と歴史を語ればキリがありません。それだけ初期の日本競馬を支えてきたオーナーブリーダーなのです。
しかし、世界がスタミナ競馬からスピード競馬に変わりつつある中で徐々にメジロの馬が勝てなくなります。そこにサンデーサイレンス・ブライアンズタイム・トニービンといった1990年初頭から日本競馬に一大旋風を巻き起こした外国産種牡馬たちの逆風がさらにメジロを追いやります。
マッチョな外国産お父さんたちの活躍でサムライ細筋の内国産お父さんたちの存在が薄くなったのです。
画像はイメージです。
そんな内国産で自家製産馬のお父さんに拘り続けたメジロ牧場もとうとう新たな血を入れる時がきたのか、サンデーサイレンスに内国産の繁殖牝馬を配合して誕生したのが、メジロベイリーってわけです。

また、ベイリーには、お父さんがメジロライアンである半兄にメジロブライトがいることも有名ですよね。
そんな1998年産のメジロベイリーには超ハイレベルな同期馬が存在しました。
皐月賞馬アグネスタキオンに日本ダービー馬ジャングルポケット、菊花賞馬マンハッタンカフェ、芝ダートのGⅠを制したクロフネ。どれを取っても今の仔馬たちの流れる血に馬名が入っているほどの名馬(種牡馬)たちです。
そして、世代ナンバーワンとの呼び声が高く、藤田伸二元番長騎手(JRA1900勝ジョッキー)に「自身が乗った中で一番強かった」と言わしめたタガノテイオーの存在も忘れてはなりませんよね。
そのタガノテイオーは、骨折しながらもゴールまで走り切った凄い馬。それをメジロベイリーが骨折にて失速したタガノテイオーを横目に交わして2歳王者となったのですが、それでも勝ちは勝ちです。残念ながらタガノテイオーは、そのまま予後不良となってしまいました。
競馬にタラレバは禁物ですが、もしも、タガノテイオーが競争生活を全うしタキオン・ジャンポケ・マンハッタンといった歴史的名馬と戦っていれば、日本の競馬歴史も今は違ったものになっていたかも知れません。それほど、惜しい競走馬を亡くしました。
そんな最強世代で2歳王者に輝いたメジロベイリーも間違いなく名馬です。
GⅠを制した後は、脚部不安により思うように走れず生涯成績7戦2勝という結果で引退となりましたが、競走馬としての寿命を全うしたメジロベイリーには、天国で待つタガノテイオーを始めとする同期ライバルたちと思う存分に駆けっこをしてほしいです。あっ、ブライト兄ちゃんもいましたね。
メジロベイリーお疲れさまでした。心からご冥福をお祈り申し上げます。
ライアン!ライアン!
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