競馬の勝負服って忘れたらどうなるの?【競馬コラム】

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競馬の勝負服って忘れたらどうなるの?【競馬コラム】

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競馬の魅力と言えば、一生懸命に走る競走馬たち、馬上で手綱を取る騎手など十人十色。

中でも騎手が着飾る様々な勝負服に注目する方もいるでしょう。中央競馬では馬主さんによって勝負服のデザインが決められ地方競馬では騎手ごとに勝負服のデザインが決められています。

もう少し分かりやすく説明しますと、中央競馬のレースでは、騎手は各馬主さんが申請済の勝負服を着用する義務があります。よって、同じレースに同じ馬主さんの競走馬2頭が出場する場合、同じ勝負服を着た騎手が、2名いることになります。

例えば、日本を代表するクラブ馬主のサンデーレーシングさん(デザイン黒、赤十字襷、袖黄縦縞)は、競走馬も強いですから同じ勝負服のデザインがゴール前で争うなど、よくあることです。

逆に地方競馬だと騎手それぞれが事前に決めた勝負服柄でレースを疾走するわけですから、どの騎手がどこを走っているのか一目瞭然です。しかし、中央競馬だと馬主ごとなので、仮にサンデーレーシングさんの競走馬が多頭数も出走していれば、どの馬にどの騎手が乗っているのか分かりづらいかも知れません。

 

イラストのように各馬主によって騎手が着用する勝負服は異なります。

さて、前置きが長くなりましたが、いよいよ本題です。

その勝負服をレース当日、各競馬場まで運ぶのは馬主ではなく預託先厩舎(調教師)なのです!

これは知りませんでした。最近、矢作先生の本を読んで知った次第です。

以下、本文の一部を引用しました。

「そんな簡単なことを」と思うかもしれないが、多くの厩舎では、とくに開業して一年以内にこのミスをしでかしている。勝負服を用意できなかったときには、JRAから貸し出される枠色斜め縞の勝負服でレースに臨まなければならない。ファンの方にも「ああ、やらかしたな」と一目でわかってしまうから、非常に恥ずかしいし、なにより愛馬の出走を楽しみにしていた馬主さんに対して失礼きわまりないことだ。(一部本文から抜粋)

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いくら調教師とはいえ、レースに集中するあまり、忘れてしまうことがあるのですね。矢作先生は、ご自身の厩舎にて忘れないための仕組み作り(システム化)をされています。

確かにJRAから貸し出しされる勝負服は、枠と同色の斜め縞模様となれば、いつもの馬主さんの勝負服ではないと分かります。まさかの貸衣裳、それもJRA側は1競走1頭につき使用料500円を徴収するそうです。

えっ、無料貸し出しとちゃうの?

はい、恐るべしJRAですね。そこは抜かりありません。

なお、中央競馬の馬主登録を受けていない馬主の競走馬が出走した場合もJRAから貸し出されます(当然、500円は徴収されます)ただし、この場合は、忘れたわけではないので「交流服」と呼ばれる専用の勝負服柄となります。主に地方競馬の馬主さんの愛馬が中央に殴り込みにきた場合とかですかね。

勝負服は使用できる色と柄(寸法の最小限など)が予め決められています。そりゃそうですよね、仮に馬主さんの自由な勝負服オッケーとなれば、ド派手なヒラヒラの付いた衣装やキンキラキンに着飾る衣装など収拾がつきません。使用できる色は、白・黒・赤などの13色から胴と袖それぞれの地色と柄色に異なる色を1色ずつ選定可能なため、デザインとしては最大4色まで使用可能となります。

また、柄の使用は必ずではないため、無地にすることも可能。胴と袖の柄も独立に選択できるなど、様々なルールはありますが、決められた範囲内である程度、自由に設定できるようです。

さて、今回は勝負服について、いろいろと書きました。

明日からの週末も楽しみなレースが満載です。もし勝負服のことを思い出された方は、貸勝負服を着た騎手はいないかと探してみるのも楽しみが1つ増えて良いかも知れませんね。


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