ニシノフラワー|歴代最強馬|花のスピード女王|名牝たちの記憶⑯

名牝たちの記憶
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ニシノフラワー
花のスピード女王

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ニシノフラワー 花のスピード女王

数々の名馬を輩出し、その名を日本中に轟かせた名門、西山牧場。
自家生産がメインだったこの牧場が、マジェスティックライトの仔を宿していた繁殖牝馬デュプリシトを海外から購入し、新たな形で競馬界に名馬を送り出した。
そのデュプリシトの馬体内で命を育んでいた馬こそがニシノフラワーである。

今回は、1990年初頭に短距離、マイル路線で活躍しスピード女王と謳われたニシノフラワーについての記憶を振り返りたい。

生まれ持ったスピード

父のマジェスティックライトは、北米で通算31戦11勝を挙げた名馬であり、現役時代はスワップスS、ハスケルH、モンマス招待HといったダートG1を勝ち、芝のG1であるマンノウォーSも制するなど、芝ダート関係なく活躍した。
また、種牡馬としても芝ダート問わず、多数のG1馬を輩出しているが、そのほとんどが中長距離を得意とする産駒ばかり。そう考えるとニシノフラワーは例外的存在だった。

母のデュプリシトは、ノーザンダンサー直系のダンジグの仔らしく気性が荒かったそうだが、生涯で17頭もの子どもを産んだ名繁殖牝馬である。
その17頭のうちの初仔となったのが、ニシノフラワーであり、1989年4月19日に西山牧場で誕生した。

スピードで圧倒

馬体は420キロ程度と小柄なニシノフラワーは、七夕の日の札幌ダート1000mで早咲きのデビュー戦を勝利で飾った。
その後、札幌3歳S(G3)では、翌年のオークス(G1)を制することになるアドラーブルや悲劇の名牝サンエイサンキューなどを相手に圧勝。
続く3戦目のデイリー杯3歳S(G2)でも難なく勝利し、早くも3歳女王を射程圏内にする。

そして、迎えた阪神3歳牝馬S(G1、現阪神ジュベナイルフィリーズ)でもシンコウラヴリィなどの強敵を破り、見事4戦無敗で世代の牝馬トップに立った。

桜の女王

牧場の期待を上回る速さで瞬く間に4戦無敗で世代頂点に立ったニシノフラワー。
年明けには、牝馬クラシックの本命となっていた。

そして、迎えた年明け初戦のチューリップ賞(G3、当時はOP)では、単勝オッズ1.2倍という1頭だけズバ抜けた1番人気。
オグリキャップの半妹オグリホワイトが13.2倍で2番人気だったことを考えるとニシノフラワーに対する支持がどれだけのものだったか分かるだろう。

しかし、やってみないと分からないのが競馬である。

道中馬群に包まれる厳しい競馬を強いられたニシノフラワーは、最後はアドラーブルの2着を確保する形で最低限の面子は保った。ただ、並の馬ならヘコたれてしまうレースだったが類まれな根性でそれを克服。

それは本番の桜花賞(G1)で1番人気に支持されたことが、”負けてなお強し”の証明となった。
さらに、ニシノフラワー最大の武器は、何といっても桁違いのスピードである。

桜花賞では、楽な手応えで先行集団に取り付き、難なく交わす。2着のアドラーブルには3馬身半差の圧勝。

その馬名の通り、桜花賞を制した姿は、まさに桜が満開といったとろこだろうか。こうして、持ち前のスピード競馬を見せ付けたニシノフラワーは、横綱相撲で牝馬一冠を手にしたのだった。

距離の壁

6戦5勝2着1回という準パーフェクトにて桜花賞を制したニシノフラワー。もちろん、オークス(G1)、エリザベス女王杯(G1)と牝馬三冠に期待が膨らんだ。

ところが、2000m前後で活躍した父マジェスティックライトよりも母の父ダンジグの影響が強かったためか、その距離適性は明らかにスプリント〜マイル向きだった。

そんな短距離適性にあったニシノフラワーにとって、残る二冠に求められたのは、スタミナという点である。

その結果、オークスは、アドラーブルの7着、エリザベス女王杯もタケノベルベットの3着と牝馬三冠レースを戦い終えた陣営は、迷うことなく今後の路線を決断したのだった。

花のスピード女王

当時、暮れの短距離最強馬を決める位置付けにあったスプリンターズS(G1)に出走を決めたニシノフラワー。
ヤマニンゼファーダイタクヘリオスといった年上の韋駄天たちが出走表明する中で斤量の恩恵もあってか、2番人気に支持される。

そして、のちに短距離最強馬として称賛され、歴代最強馬としても名を連ねることになる猛者たちをなで斬りにする直線でのキレをみせた。
それは桜花賞で見せた凄みを上回る迫力に満ちていた。

結果的にヤマニンゼファーをクビ差に抑えG1通算3勝目を獲得。

花のスピード女王は、この年のJRA賞最優秀スプリンターとJRA賞最優秀3歳牝馬の称号手に入れた。

かつての輝き

古馬となり初戦となったマイラーズCでは、ヤマニンゼファーを3馬身半引き離す圧勝をみせるも次走の安田記念(G1)では、そのヤマニンゼファーに大きく引き離されての10着。

次走では、やや距離が長い宝塚記念(G1)にも果敢に挑戦するも8着と凡走。
もはや誰の目にも彼女が正真正銘ののスプリンターであることは明らかだった。

しかし、花のスピード女王は早熟タイプだったのか、秋初戦のスワンS(G2)では3着、マイルチャンピオンS(G1)においては13着と短距離マイル路線でも、かつての輝きを失っていた。

そして、現役最後の舞台に選んだのは、暮れのスプリント王決定戦。もちろん連覇をかけての一戦である。ファンは、あの末脚の再現を夢見て3番人気に支持した。

だが、早熟馬ゆえに充実期を迎えたサクラバクシンオーの卓越したスピードに追い詰め切れなかった。それでもディフェンディングチャンピオンとしての意地を見せる3着は十分な走りだったに違いない。

そのスピードは仔たちへ

G1を3勝という輝かしい実績を引っ提げて西山牧場に帰り、繁殖牝馬となったニシノフラワーは、生涯で9頭の仔を世に残した。
しかし、そのスピードを受け継ぐまでの仔は現れず、その夢は孫以降の世代に託された。

それは、セイウンスカイとの間にできた7番仔ニシノミライからニシノヒナギグに受け継がれた。
そして、2022年の中山大障害(G1)を制したニシノデイジーに繋がったのである。

今では、西山牧場の2枚看板となったニシノフラワーとセイウンスカイの曾孫が、中央の障害G1を制したのである。まさにミライが繋いだ競馬のロマンそのものであろう。

スピードの絶対値さえあれば、牝馬であれ牡馬と互角に戦えることを証明した歴史的名牝ニシノフラワー。

その姿は、まさにスピードの園に咲いた大輪の花そのものであり、その血は現在にも脈々と受け継がれている。

 

Majestic Light Majestic Prince Raise a Native
Gay Hostess
Irradiate Ribot
High Voltage
デュプリシト Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Fabulous Fraud Le Fabuleux
The Bride

生涯戦績 16戦 7勝(7-1-3-5)
主な勝鞍 阪神牝馬3歳S、桜花賞、スプリンターズS

※文中の馬齢は当時の表記(現表記+1歳)としている。


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